抄録
我々の施設で臨床的に転移を認めない早期口腔癌40症例について原発巣の切除のみを行い頸部は経過観察を行った。後発転移が22.5%で発生していた。
一部の施設ではラジオアイソトープを用いたセンチネルリンパ節(SN)同定法・生検法が導入されている。頭頸部癌におけるSN生検術は欧米では既に標準治療として位置付けられている。我が国ではようやく頭頸部癌診療ガイドライン2018年版で記載されるに留まっている。
我々は,1)超音波造影剤ソナゾイドを用いたSN同定法,と,2)超音波の新技術Superb Microvascular Imagingによる微小血流評価によるSN転移判定法を考案し,第I相試験を実施している。この一連の方法が確立すれば,超音波機器さえあれば「SNの同定」から「SNにおける転移の有無の判定」まで,一般の外来で安全・確実にしかも安価で頸部郭清術の適応の有無を決めることが可能となる。