抄録
泌尿器科疾患という比較的限られた領域におけるコンピューター画像診断支援の将来について,現在の画像診断の現状と問題点も含め,前立腺がんを例として整理することで,問題解決法としてのコンピューター診断支援に何ができるのかを考えたい.そしてわれわれの将来の健康生活増進に役立つ診療戦略をたてるためには,どのようなことがコンピューター支援に期待できるのか,限られた人的資源のために劣悪な労働環境にある本邦の医療従事者一般が,常識的な労働環境を得るためにコンピューターにどのような仕事を分担させていくべきなのか,そのとき,診療放射線技師や放射線科医などの職業を脅かす存在となるのか,脅かされないために人間としての医療従事者がどうあるべきか,考えたい.