抄録
プラチナ製剤抵抗性再発または転移性頭頸部癌において,免疫チェックポイント阻害薬であるNivolumabが2017年に日本で承認された。2019年には,同一次治療に対してPembrolizumabを使用したKEYNOTE048試験の結果が報告され,今後,一次治療の変更も予想される。
免疫チェックポイント阻害剤での免疫関連有害事象(Immune-related adverse event:IrAE)は多彩である。抗炎症作用を目的とした高用量のステロイド使用,または,IrAEの症状コントロール目的で,少量のステロイドを長期に使用する症例の増加が予測される。
ほかにも,頭頸部癌のキードラッグであるシスプラチンを使用する際も,遅発性悪心の予防目的でステロイドが使用される。
今回,頭頸部癌治療の薬物療法を行う医師が知っておくべき,ステロイド投与時の注意点およびその観察事項について考察する。