頭頸部癌
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パネルディスカッション2
がん専門病院の立場,地域の現状
—宮城県の場合—
浅田 行紀
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2020 年 46 巻 1 号 p. 22-25

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抄録

頭頸部がん専門医制度が発足して10年が経過し,その制度とともに頭頸部癌治療の均てん化の状況を地方がんセンターの視点から評価した。宮城県には4つの診療圏があり,がん治療に関しては仙台地域に2つ,それ以外の診療圏にそれぞれ1つの地域がん診療連携拠点病院(計5つ)および都道府県がん診療連携拠点病院東北大学病院,宮城県立がんセンターの計7つの病院でがん治療が行われていた。また,頭頸部外科学会指定研修施設は都道府県がん診療連携拠点病院および仙台医療センターの3つの施設が認定されていた。頭頸部外科学会指定研修施設以外の施設で行われた加療は10%程度であり,集約化が進んだ地域と考えられた。また,当地域は広さに対して専門医数が十分ではないため,頭頸部がん治療が行われていない地域に出向して地域拠点病院での診療を行うことが頭頸部がん診療の均てん化を行う一つの方策になっている。

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© 2020 日本頭頸部癌学会
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