抄録
ニボルマブは,Programmed cell death 1(PD-1)とそのリガンドとの結合を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する免疫チェックポイント阻害薬であり,Checkmate-141試験にて再発・転移性頭頸部扁平上皮癌に対し,全生存期間を延長することが示された。今回我々は,当科にてニボルマブを使用した再発・転移性頭頸部癌44症例について,治療効果や予後予測因子などを中心に検討した。全生存期間中央値は12.0ヶ月,無増悪生存期間中央値は3.9ヶ月であった。Performance status(PS) 0の群(p値:0.001未満)とニボルマブ投与終了後に治療を継続した群(p値:0.003)で有意に予後良好であり,治療開始時の末梢血好中球リンパ球比(neutrophil-to-lymphocyte ratio:NLR)が5以上の症例では有意に予後不良(p値:0.040)であった。