頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
原著
再発・転移頭頸部癌に対する網羅的がんゲノム解析と臨床的有用性
遠山 皓基加納 嘉人野地 理夏青柳 康子松寺 翔太郎大野 十央有泉 陽介道 泰之富岡 寛文島本 裕彰吉村 亮一朝蔭 孝宏原田 浩之三宅 智三浦 雅彦池田 貞勝
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 47 巻 4 号 p. 359-365

詳細
抄録
頭頸部癌患者14例18件に対しFoundationOne CDxなどのがん遺伝子パネル検査を使用し,組織検体15件(83.3%),血液検体3件(16.6%)における遺伝子変異の解析を行った。原発部位別では,舌癌が6例(42.8%)と最多で,検出された遺伝子変異としてはTP53,TERT promoter,CDKN2Aなどであり,全ゲノム解析を用いた既報と矛盾しない結果となった。14例のうち,治療候補があった症例は11 例(78.6%)であったが,実際に遺伝子パネル検査に基づいて治療を行った症例は2例(14.3%)であり治療薬へのアクセス率の向上が今後の課題となった。また,TMB(Tumor Mutational Burden)が高値を示した3症例のうち2例で免疫チェックポイント阻害剤による奏効が得られ,TMBが頭頸部癌の実臨床における新たなバイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2021 日本頭頸部癌学会
次の記事
feedback
Top