2022 年 48 巻 4 号 p. 313-318
再建手術を要する進行頭頸部癌手術では治療を完遂し周術期の合併症を減少させるため周術期管理が重要である。
頭頸部癌患者では腫瘍病変による経口摂取困難から低栄養状態で受診することが少なくない。当院において再建を伴う手術を実施された患者177例では,術前に低栄養と評価される患者は45例(25.4%)であった。適切な栄養状態に近づけるために低栄養群のスクリーニングと術前栄養介入を多職種で行っている。
術後早期回復プログラムERAS(Enhanced Recovery After Surgery)に基づいた周術期管理が推奨されている。国内の頭頸部癌診療施設にアンケートを行ったところ27施設から回答を得ることができ,多くの施設で運動・嚥下リハビリや栄養管理に取り組んでいることが確認された。
現在ステロイドホルモン投与の意義を検討する多施設共同前向きランダム化比較試験を実施中である。