2022 年 48 巻 4 号 p. 319-322
頭頸部領域悪性腫瘍に対する粒子線治療は主に非扁平上皮癌に対して2018年4月より保険収載となった。保険適応基準は切除による根治困難症例であり,手術適応の有無が重要となる。当院では2017年5月より兵庫県粒子線医療センター,兵庫県粒子線医療センター付属神戸陽子線センターと合同でキャンサーボードを行い,その治療適応について協議している。
今回我々はキャンサーボードについて,取り扱った症例数の推移とその内容について検討した。2017年5月から2020年12月まで208症例について検討した。症例数は粒子線治療の保険収載以降で増加傾向にあった。11例で治療方針の変更があり,内8例は手術へ,3例は粒子線以外の放射線治療への変更であった。キャン
サーボードがより適切な医療の提供につながることが期待された。