頭頸部癌
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症例報告
唾液嚥下時の舌骨移動距離測定における超音波診断装置の有用性;健常ボランティアでの検討
矢内 敬子伊藤 純平中平 光彦榎木 祐一郎菅澤 正
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2022 年 48 巻 4 号 p. 351-355

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抄録

嚥下機能の評価法として数多くの方法が挙げられるが,ベッドサイドで簡便に定量評価が可能な方法は少ない。嚥下時の舌骨挙上は嚥下機能評価の重要な観察項目と考えられる。そこで今回我々は,ベッドサイドで簡便に嚥下時の舌骨移動距離の測定が可能かどうか,またその年齢層による違いについて,超音波診断装置を用いて健常人を用いて測定を行った。対象と方法は,30~84歳の健常ボランティア39名に対し,超音波診断装置を用いて唾液嚥下時の舌骨移動距離を計測し,年代別に3群に分け統計学的検討を行った。結果は,70~84歳の高齢群の舌骨移動距離が延長する傾向がみられた。過去のレントゲン造影検査を用いた計測において,舌骨移動距離は加齢とともに延長すると報告されており,今回の検討から超音波診断装置においてもその有用性が示唆された。

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© 2022 日本頭頸部癌学会
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