頭頸部癌
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頭頸部癌終末期患者の診察で悩んだこととその工夫
本邦における頭頸部がん治療における終末期対応の現状
東野 正明山﨑 知子
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2024 年 50 巻 4 号 p. 273-279

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抄録
目的:頭頸部がん患者の終末期対応の現状と問題点を見出す。
方法:日本頭頸部悪性腫瘍登録事業に参加している施設代表者にアンケートにて全国調査をおこなった。
結果:全199施設中168施設(84%)から回答を得た。医療圏内で受け入れ可能な在宅医療診療所数は3~4が多かった。在宅導入率および在宅看取り率は,在宅診療所数が5~6になるまで上昇し,それ以上でプラトーになった。自施設に緩和ケア病棟を持つ施設は31%あった。医療圏内で受け入れ可能な緩和ケア病棟を持つ施設数は3~4が多かった。頭頸部がん治療医は在宅導入に支障をきたす問題点を,咽頭皮膚瘻,腫瘍の自壊,気管切開,誤嚥のリスク,キーパーソン不在,認知症,精神的不安定,経済的不安定と認識していた。
考察:頭頸部がんに携わる医師が情報発信し,在宅医や緩和ケア病棟をもつ施設の医師との連携強化を図ることで頭頸部がん終末期医療は改善の余地がある。
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© 2024 日本頭頸部癌学会
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