抄録
甲状腺腫瘍の術前画像診断法としての, 201Tlシンチグラフィー, US, CTの各検査法の有用性と特殊性につき, 甲状腺腫瘍症例103例を対象として検討を行った。
201Tlシンチグラム, US, CT診断での正診率は, 悪性腫瘍群ではそれぞれ72.2%, 81.0%, 72.7%であり, 良性腫瘍群ではそれぞれ69.8%, 78.1%, 82.5%であった。各検査法の中ではUSの正診率が最も高く, 術前の腫瘍の良性, 悪性の質的診断には最も有用と思われた。201Tlシンチグラフィーは癌の再発, 転移の検索に, CTは甲状腺癌の周囲組織への浸潤の検索に有用と考えられた。