1989 年 15 巻 2 号 p. 48-52
過去17年10カ月の間に経験した頭頸部原発の腺様嚢胞癌30症例について検討した。症例は, 男性12例, 女性18人で, 部位は大唾液腺13例, 鼻・副鼻腔9例, 口腔5例, 喉頭1例, 外耳道1例, 原発不明の頸部リンパ筋転移1例であった。初診時に6例にリンパ節転移を, 3例に遠隔転移を認めた。Stage 分類はI, II, III, IVがそれぞれ3, 7, 7, 13例であった。組織型は, tubular 3, cribriform 22, solid 5例であった。CAP療法の秦効率は11.1% (1/9), 放射線療法は100% (2/2) であった。
7例が死亡しておりその平均生存期間は44カ月であった。予後に影響する因子は, 転移の有無, Stage であった。