抄録
頭頸部癌患者より分離した tumor infiltrating lmphocytes (TIL) の増殖能, 抗腫瘍活性, 表面マーカーを, 末梢血リンパ球より誘導した lymphokine activated killer cells (LAK) と比較し, 検討した。
TILはLAKより増殖率が高く, 平均101.3倍の増殖を示した。分離直後のTILはNK活性, LAK活性, 自己癌細胞傷害活性がほとんど認められないが, IL-2添加培養により活性が増大しLAKより高い値を示した。TILをIL-2添加培養すると, HLA-DR+, CD8+ CD11-の表面マーカーが優位となる症例がみられた。TILはLAKより増殖能, 自己癌細胞傷害活性が高く, 養子免疫療法の移入細胞として有用と考えられた。