抄録
頭頸部癌に対しCDDPの動注と, それに引き続く recombinant Interleukin-2 (rIL-2) の局所投与による局所免疫化学療法の臨床効果ならびに免疫学的効果を検討した。口腔癌, 中咽頭癌, 上顎癌12例中, 5例にCR, 4例にPRが得られ有効率は75%であった。有効例では治療後, 腫瘍組織に著明なリンパ球浸潤が見られた。末梢血リンパ球サブセットではCD4+CD45R-細胞, CD25+細胞の増加が見られた。CDDPとrIL-2併用による局所免疫化学療法は頭頸部癌集学的治療において有効な治療法に成り得ると考えられた。