頭頸部腫瘍
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鼻・副鼻腔癌を除く頭頸部癌動注症例の検討
山本 英一折田 洋造
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1992 年 18 巻 2 号 p. 94-99

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抄録
15年間に, 著者らは, 頭頸部に発生した鼻・副鼻腔癌以外の癌22症例に対して動脈注入療法を施行し, 以下のような結果を得た。
(1) 症例は11例の口腔癌や8例の中咽頭癌で, 男性優位, 動注年齢は38歳から82歳であった。
(2) 22例中13例はシスプラチンを組み入れた治療を行い, 12例はネオアジュバント・ケモセラピィを用いた。
(3) 60カ月の時点でのカプラン・マイヤー法による累積生存率は口腔癌55%, 中咽頭癌86%であった。
(4) また同期間のシスプラチンを使用した場合と他の薬剤の場合では, それぞれ85%, 26%であった。
(5) ネオアジュバント・ケモセラピィを用いた12例は56カ月の時点で92%の累積生存率を示した。
(6) この結果, シスプラチンを組み入れたネオアジュバント・ケモセラピィが頭頸部癌に選択すべき治療法であることが示唆された。
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© 日本頭頸部癌学会
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