頭頸部腫瘍
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顎・口腔領域への転移腫瘍10例についての検討
佐藤 光岡野 篤夫土川 幸三加藤 譲治
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1994 年 20 巻 1 号 p. 72-77

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抄録

顎・口腔領域への転移腫瘍10例について検討し, 以下の結論を得た。
転移腫瘍の部位としては下顎骨4例, 上顎骨歯槽部2例, 上顎歯肉1例, 耳下腺1例, 顎下腺1例, 顎下リンパ節1例であり, その組織型は, 腺癌が7例と最も多かった。原発腫瘍の部位としては肺4例, 乳房3例, 胃2例, 直腸1例であった。肺・乳房腫瘍は顎骨へ転移をきたしやすく, 特に肺腫瘍は全身他臓器へ転移を認める前に口腔転移をきたしやすいことが多いことが示唆された。また, 従来の口腔転移腫瘍診断基準に口腔腫瘍の好発部位ではないこと, 組織型が極めて稀であること, コントロール不良の原発腫瘍を有すること, 項目を追加し, 総合診断することが有用であることが示唆された。

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© 日本頭頸部癌学会
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