頭頸部腫瘍
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ヒト甲状腺腫瘍内のカテプシンL活性の検討
楠 威志西田 升三中野 貴之村田 清高戸村 隆訓
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1994 年 20 巻 3 号 p. 548-552

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抄録
外科的に切除したヒト甲状腺組織 (非病変部4例, バセドウ病2例, 濾胞腺腫3例, 乳頭癌3例, 濾胞癌4例) を用いて, カテプシンL活性の測定およびエラスチカ染色を施行しエラスチンの連続性を調べた。これらのデータを各症例の母腫瘍の病理組織所見, 浸潤, 転移の有無と比較検討し以下の結果を得た。悪性病変群のカテプシンL活性は正常および良性病変群より有意に高値であったが被膜外浸潤, リンパ節転移とは一定の関連を認めなかった。しかし, エラスチンの連続性がないものほどカテプシンL活性が高値を示した。腫瘍性病変においては, 充実性病変の如く細胞増殖が強い領域に一致してエラスチンの連続性が認められなかった。
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© 日本頭頸部癌学会
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