抄録
上皮小体機能亢進症83例 (原発性33例, 続発性50例) の手術経験から手術方法について述べた。
本手術は異所性や過形成の可能性から4腺を探索することが原則であるが, 原発性では正常上皮小体の探索が, 必ずしも容易ではない。原発性の場合まず2腺を探し, その大きさに著明な差があれば腺腫と考え, 大きい方の一腺のみの摘出で済むのが通例である。
術前診断は大切であり, その方法もいろいろあるが, 不確実要素も大きく腺を探し出す手技を習得すべきものと思われる。4腺探索の要点は上下の上皮小体の存在部位や上皮小体と反回神経との位置関係を熟知しておくことである。