予後不良の下咽頭進行癌に機能温存と予後の改善を目的に, 大腿又は浅側頭動脈経由より超選択的にCDDPを動注し, 同時に鎖骨下静脈より Sodium Thiosulfate (STS) を投与する超選択的動注療法を施行した。[目的] 機能温存などQOL向上と予後の改善 [対象] 手術不能例などの下咽頭進行癌の12例。病期はIV期が10例 (N3症例が8例), III期が2例 [方法] (1) CDDP 150mg/m2を動注し, 同時にモル比200倍のSTSを鎖骨下静脈より点滴する。(2) 1週後, 同様に動注する。3回目から放射線治療を開始した。治療終了後画像で評価した。[結果] 抗腫瘍効果CR8/12, PR4/12。動注回数は平均4.7回であった。治療後経口摂取可能例は10例, 2例は経管栄養であった。構音良好例が9例, 高度の嗅声を伴う症例が3例であった。死因は皮膚・肺などの多発転移で, 生存率は約50%であった。