頭頸部腫瘍
Online ISSN : 1883-9878
Print ISSN : 0911-4335
ISSN-L : 0911-4335
開頭術の基本と集学的治療
齋藤 清
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 27 巻 3 号 p. 573-578

詳細
抄録
開頭術ではベットの上体を15~30°上げ, 頭部をヘッドピンで固定する。頭蓋底まで開頭した方が術中の脳圧排は少ないが, 悪性腫瘍では腫瘍進展範囲は避けて開頭する。硬膜内操作の時には脳保護に留意し, 脳ヘラでの圧排は最小限とし数分毎に解除する。静脈の走行には個人差が大きい。術中に架橋静脈など重要な静脈を損傷したり圧迫しないように注意する。硬膜欠損は筋膜などで大きめに修復し, 硬膜外に死腔を作らなように硬膜を骨縁に丁寧に吊上げる。鼻副鼻腔とは血行のある組織で遮断する。
多科合同手術では術前の症例検討が最も大切であり, 病変の摘出範囲, 体位, 皮切部位, 手術手順, 再建方法, 予定手術時間, 必要手術機器について決定する。頭蓋底手術は一般の脳神経外科手術とは色々な点で異るため, 脳神経外科医の理解を得る必要がある。また, 全身が術野になるため, ルートの確保や麻酔器の位置などで麻酔医の協力も必要である。
著者関連情報
© 日本頭頸部癌学会
次の記事
feedback
Top