2001 年 27 巻 3 号 p. 713-716
頭頸部癌のリンパ節転移において被膜外浸潤の有無は予後に重要な影響をおよぼす因子であるが, その画像所見について詳細に検討された報告は少ない。我々はMRIを用いてリンパ節の最大径, STIR法でのリンパ節周囲高信号領域の有無, 中心壊死の有無につき病理学的に被膜外浸潤あり (以下被膜外 (+)) と診断された群と被膜外浸潤なし (以下被膜外 (-)) とされた群について比較検討した。リンパ節の最大径の検討では被膜外 (+) 群が統計学的に有意に大きかった。また, 被膜外 (-) とする大きさの最大基準値は31.1mmであり, これより大きいものは被膜外浸潤の可能性が高いと思われた。STIR法でのリンパ節周囲高信号領域は統計学的に有意に被膜外浸潤 (+) 群に認められ, STIR法でのリンパ節周囲高信号領域の存在も被膜外浸潤の診断に有用と思われた。中心壊死については被膜外浸潤の診断には必ずしも有用ではないと思われた。