頭頸部腫瘍
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神経原性鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する定位放射線照射
赤井畑 喜久子鹿野 真人佐藤 久志松塚 崇宍戸 文男大谷 巌
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2002 年 28 巻 1 号 p. 170-177

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抄録

当院では, 直線加速器更新により, Micro-multileaf collimator (m3) を使用した定位放射線照射 (STI) が可能となった。今回, 当科で, 神経原性の鼻副鼻腔悪面生腫瘍3例に対してSTIを施行したのでその結果を報告する。
3例の病理組織診断は, 嗅神経芽細胞腫1例, 嗅神経芽細胞腫疑い1例, 神経原性悪性腫瘍1例であった。1例で頭蓋底骨の一部消失が認められたが, 他の2例は頭蓋底骨への浸潤は認められなかった。2例にSRS (定位手術的照射) を施行し, 1例にはSRT (定位放射線治療) を施行した。治療効果は全例で腫瘍が消失し, 再発は認められていない。また, 全例で重篤な障害は認められなかった。
鼻副鼻腔神経原性悪性腫瘍に対する定位放射線照射の根治性や安全性が示唆されたが, さらに長期にわたる治療効果や, 副作用についての観察が必要である。

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© 日本頭頸部癌学会
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