頭頸部腫瘍
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組織の異なった両側耳下腺悪性腫瘍の1例
野口 和広徳丸 岳志奥野 敬一郎渡辺 尚彦調所 廣之藤谷 哲
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2002 年 28 巻 1 号 p. 293-297

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抄録
耳下腺腫瘍の多くは一側性, 単発性であり, 両側の耳下腺腫瘍は全耳下腺腫瘍の1~3%と少なく, その多くは腺リンパ腫である。両側の耳下腺悪性腫瘍は極めて稀と考えられる。今回, われわれは両側で組織型が異なった耳下腺悪性腫瘍の1例を経験したので報告した。
症例は68歳, 男性。右側の耳下部の腫脹を主訴に来院, 画像診断で両側耳下腺腫瘍と診断した。摘出術は, 増大傾向を認めた右側腫瘍から全身麻酔下に施行した。病理組織診断は腺房細胞癌であった。約1年後, 左側腫瘍の摘出術を全身麻酔下に施行した。病理組織診断は多形腺腫内癌であった。術後合併症もなく, 現在非担癌生存中である。
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© 日本頭頸部癌学会
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