頭頸部腫瘍
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舌部分切除術, その術式の選択
口内法による治療成績
朝蔭 孝宏海老原 敏斉川 雅久羽田 達正林 隆一崎浜 教之海老原 充山崎 光男鵜久森 徹吉田 聖木股 敬裕内山 清貴桜庭 実大山 和一郎
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2002 年 28 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

国立がんセンター頭頸部外科における舌部分切除例142例について検討し, 口内法による舌部分切除例の治療成績を明らかにするとともに pull-through 法の適応について考察した。口内法による舌部分切除術施行例130例の累積生存率は81%だった。口内法による舌部分切除術施行例のうち局所再発例は13例に認め, そのうち舌根再発は4例, 口腔底再発は5例であった。これら9例は pull-through 法での切除により再発を避けることが出来た可能性があると考えた。pull-through 法12例のうち深部再発例は1例のみであった。
以上のことから舌部分切除症例のなかで舌根および口腔底へ深部浸潤する症例は pull-through 法のよい適応となると考えた。その他, 大半の舌部分切除術は口内法で充分に施行可能と考えた。

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© 日本頭頸部癌学会
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