頭頸部腫瘍
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口腔癌患者における性格特性と癌告知に対する満足度との関連
舘林 茂青木 久美子稲掛 耕太郎山本 漢九今井 裕一郎大儀 和彦桐田 忠昭
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2003 年 29 巻 4 号 p. 587-593

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抄録

今回われわれは, 口腔癌患者における性格特性と, 癌告知に対する満足度との関連について検討を行った。退院後3~20か月経過した手術施行例30名 (男性13名, 女性17名, 平均年齢61.2) を対象とし, 矢田部ギルフォード性格検査と当科作成の癌告知に関するアンケートを配付し, 回答を得た。対象患者における性格特性5類型の内訳は, A型5名 (16.7%), B型1名 (3.3%), C型11名 (36.7%), D型12名 (40.0%), E型1名 (3.3%) であった。「内向的な」C型患者の病名・予後の告知希望率が8割以上と高く, 一方「告知に不満」と回答とした症例数もC型が他の性格類型に比較して多かった。これは実際の術後障害の程度が, 術前説明で知らされたものよりも「苦痛」と感じた症例とに関連性が認められたことにより, 内向的と思える患者であっても病名はもとより, 現実に体験するであろう術後障害などについても, より詳細に告知する必要があると考えられた。

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