日本頭痛学会誌
Online ISSN : 2436-1577
Print ISSN : 1345-6547
症例
Calcitonin gene-related peptide関連製剤中止後の片頭痛増悪に対して鍼治療が有効であった1例
井畑 真太朗山口 智光藤 尚小内 愛堀部 豪久保 亜抄子山元 敏正
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 49 巻 3 号 p. 600-603

詳細
抄録

  症例 : 47歳,女性.主訴 : 頭痛.現病歴 : X-1年1月当院脳神経内科を受診,同年5月よりエレヌマブの臨床試験に参加.X年5月臨床試験終了後より片頭痛の日数が増加したため,X年12月鍼外来紹介受診.片頭痛予防と頸肩部の筋緊張緩和を目的に頸肩部に位置する経穴に週1回鍼治療を実施.評価は頭痛ダイアリーを用いた.鍼治療前には1ヵ月の片頭痛日数14日,エレトリプタン服薬数14錠であったが,鍼治療3ヵ月後の片頭痛日数4日,エレトリプタン5錠に減少.鍼治療はcalcitonin gene-related peptide (CGRP) 関連製剤使用後に増加した片頭痛日数とトリプタン服薬数を減少させる可能性がある.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人日本頭痛学会
前の記事 次の記事
feedback
Top