2024 年 51 巻 1 号 p. 169-173
片頭痛の患者支障度はきわめて大きいが,頭痛医療が十分に普及しているとはいえず,その一因として,患者の「自身が片頭痛である」という認識の欠如がある.われわれはHIT-6とMIBS-4を二次元平面上で視覚化することで患者自身の「片頭痛による支障度の理解」の向上を試みた.片頭痛患者100例を対象に,HIT-6とMIBS-4の,「点数表記の場合」と「二次元平面上にプロットした場合」での支障の理解度を,リッカート尺度で比較した.2群間比較で,有意に後者の理解度が高かった (マンホイットニーのU検定 : P<0.001) .これにより「視覚化」することで,より支障度が理解できるとわかった.