2024 年 51 巻 1 号 p. 178-183
頭痛診療における今後の医師と鍼灸師の連携 (医鍼連携) の障壁と実態把握を目的として,頭痛専門医を対象としたアンケート調査を実施した.回答した頭痛専門医の80%以上が鍼灸治療に興味をもっていることが明らかとなり,その傾向は,鍼灸治療が身近にない場合でも同様であった.しかし,実際に連携をとって診療にあたっているのは全体の10%程度であった.連携をとるための障壁として,安全性や質の担保が求められており,その育成や,専門性の見える化が課題であると考えられた.国内での臨床研究の推進やエビデンスの蓄積,円滑な連携を推進するためのプラットフォーム構築が必要である.