論文ID: 20200423
背景・目的 入浴は様々な健康効果が報告されており、入浴方法も工夫されてきている。1-100㎛の微細な気泡(マイクロバブル)を混入させた湯への入浴と通常の水道水の沸かし湯への入浴の主観的評価の差を明らかにすることを目的とした。
方法 健康な成人女性11名を対象に水道水浴とマイクロバブルを混入させた湯への入浴(MBU浴)をそれぞれ40℃15分全身浴の同一被験者内比較介入試験を実施した。入浴中のあたたまり感や幸せ感、肩こり感など14の主観的項目の評価をVisual Analog Scale (VAS)を用いて行った。各入浴時の測定値の平均を求めpaired-t検定で比較した。また合わせて僧帽筋の筋硬度を各入浴の前後で測定して比較した。
結果 主観的評価項目のうち、全身のあたたまり感、リラックス感、くつろぎ感、幸せ感、肌のしっとり感、肌のさっぱり感、上質感・高級感、贅沢感、「わくわくする」感じ、「感動する」感じ、お湯の柔らかさ、ぐっすりと眠れそうかの12項目で有意な差をもってMBU浴が良好な結果だった。筋硬度は入浴の種類による差は無かった。
考察 MBU浴は心身に良好な主観的変化を与える可能性があることが示唆された。水道水浴より強いMBU浴の温熱効果や白濁した湯色による影響の可能性がある。