東京保健科学学会誌
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東京都における死亡の季節変動 : 主成分分析に見る主要死因の季節変動とインフルエンザの影響
小野 浩二伊藤 挙窪山 泉大木 幸子椛沢 靖弘
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2004 年 7 巻 1 号 p. 35-41

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抄録
東京都の総死亡の月別変動を見ると,1月に極大値を持ち,6〜9月に極小値をとる1年を周期とした明らかな季節変動が認められた。4つの疾患群(悪性新生物,心疾患,脳血管疾患の3大死因及びそれ以外の死因)の中で,心疾患,脳血管疾患,その他の疾患の3群ではほぼ同一の季節変動が認められた。悪性新生物の季節変動は他の疾患群より小さかった。主成分分析を行うと,4つの疾患群に共通した季節変動を表すと見なされる第1主成分と,主に悪性新生物に関係した長期に亘って漸増する第2主成分とが抽出された。第1主成分は全死亡の変動の分散の75.6%を説明した。第1主成分の1月の極大値は年によって大きく異なった。インフルエンザによる死亡の年による増減と第1主成分のピーク値の増減とは明らかな相関が認められた。
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2004 日本保健科学学会
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