抄録
13種の硬骨魚類仔魚のfree neuromastの形態の比較研究を行なった.
free neuromastの形態には種による差はみられず, いずれもタマネギ状で, 受容細胞と支持細胞とからなり, 遊離縁に直立するクプラが付属する.クプラは細長くジェリー状で, PAS陽性反応を示す.
クプラをそなえたfree neuromastはスズキ・クロダイ・イシガレイ・イソギンポ・チチブ・シマハゼ・クサフグなどでは, ふ化直後の仔魚でみられるが, ワカサギ・ウグイ・オイカワ・コイ・キンギョ・メダカなどでは, ふ化後1~ 数日の仔魚で初めてみられる.