抄録
ツボダイ稚魚期にみられる成長に伴う頭部骨質突起と雲形斑紋の変化を明らかにした.頭部骨質突起は標準体長9.0mmの個体ですでによく発達していて, 雲形斑紋は体長13.0mmから出現し始めるが, 青森県尻屋崎沖の表層で採集された体長1365mmの個体を除くと, 頭部骨質突起および雲形斑紋は体長94.0mmに達するまでに消失する.採集された水深との関係から判断すると, 頭部骨質突起と雲形斑紋の発達した個体は表層で游泳生活を送っていると考えられ, 表層から底層への移行に伴ってこれらが消失すると推察される.