1981 年 28 巻 2 号 p. 166-168
1979年4月4目にパプア湾で体重295kgの大きなクロマグロ1尾が漁獲された, これをクロマグロと同定した根拠は写真と漁獲時に得られたデータおよび採集された脊椎骨の一部によっている.
クロマグロ類は全て反熱帯的分布を示し, このクロマグロの漁獲位置は通常のクロマグロ, Thunnus thynnus orientalisの分布域とミナミマグロ, T.maccoyiiの分布域の中間に位置している.なお従来のクロマグロの南半球への分布の実証的記録は西オーストラリア沖の2例と東部太平洋の1例があるのみで (Nakarnura and Warashina, 1964) 夢本報はその第4例に当る.新宮ほか (1974) は延縄漁業のデータに基づいてクロマグロの南太平洋海域への散発的分布について述べている.