魚類学雑誌
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カンムリブダイの産卵行動
William Gladstone
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1986 年 33 巻 3 号 p. 326-328

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抄録
カンムリブダイの産卵行動をオーストラリアのYonge Reefで観察した.産卵はリーフの水路入口で行われた.産卵をした個体は約100尾の群れの中の雄1尾と雌1尾であった.この群れは海底 (水深15m) から水面下2mまで, 垂直に形成されていて, その一番上に産卵に関与した最大の個体がいた.この個体は他の個体とは色彩が異なり, 明るい緑色, 乳白色, そして明るい茶色がまだらに体を覆っていた.雄と雌はゆっくりと水面へ向かって上昇し, 腹部を接触させて, 水面下1mで放卵・放精が行われた.この後, 雌雄はゆっくりと下降し, 群れにもどった.本種と他のブダイ科魚類の産卵行動の相違についても論議した.
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© 日本魚類学会
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