魚類学雑誌
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三宅島におけるサラサゴンベの求愛・産卵行動
Terry J. Donaldson
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1986 年 33 巻 3 号 p. 329-333

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抄録

1985年8月, 伊豆諸島の三宅島においてサラサゴンベ (ゴンベ科) の産卵行動がはじめて観察された.1週間の調査期間中, 雄 (体長8cm) と雌 (7cm) のペアが産卵場所となる岩を中心として定住していた.毎日, 日没直後になると, ペアは定った岩の上で一連の求愛行動を始め, 3-16分後に20-50cm急上昇して放卵放精した.産卵前後には, 同属のミナミゴンベの雄がこの雌に求愛することや, その他の魚種による干渉もしばしば観察された.本種の社会構造・婚姻組織および求愛・産卵行動を他のゴンベ科の魚類と比較して考察した.

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