魚類学雑誌
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四万十川河口域におけるアカメ仔稚魚の出現
木下 泉藤田 真二高橋 勇夫東 健作
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1988 年 34 巻 4 号 p. 462-467

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抄録

四万十川河口域において, 1985年8月から1987年1月の間に, アカメの後期仔魚54尾, 稚魚12尾および若魚6尾を採集した.仔魚 (4.3-7.6mm SL) および稚魚 (8.1-28.0mm SL) は, アマモ場を有する水域にのみ, 7月下旬から8月中旬にかけて出現した.このことは, 本種は6-8月にかけて産卵することを示唆している.仔稚魚が採集されたのは, 水温27.8-31.9℃, 塩分濃度2.8-18.2‰の範囲であった.アカメ仔魚は, ボラ科およびハゼ科のものらと形態的によく類似するが, 前鰓蓋骨の棘, 肛門の位置および尾部の黒色素胞の発達程度により, これらと識別できる.

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© 日本魚類学会
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