魚類学雑誌
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原始的ハタ亜科魚類アラの分類学的位置に関する仔魚形質からの考察
G. David Johnson
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1988 年 35 巻 1 号 p. 7-18

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抄録

東シナ海産の7個体 (脊索長4.2mm-標準体長7.2mm) にもとづき, アラ仔魚の形態を記載した.これらの個体は1980-1984年の10-11月に採集された.仔魚の形態的諸特徴の中でも, 伸長した第3背鰭棘と発達中の前部背鰭担鰭骨要素の配置はアラ属がハタ亜科に所属することを確証するものである.ハタ亜科内ではアラ仔魚はマハタ族仔魚と最も類似するが, 背・腹鰭棘および前鯉蓋棘上に鋸歯が発達しないなどの点で異なっている.外接群比較によって形質の極性を決めて, 形質分析をおこなったところ, アラ属はマハタ族の姉妹群とするよりも, むしろハタ亜科の他の全族の姉妹群と仮定するのが, 最も節減の原則にかなうことが示唆された.

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