魚類学雑誌
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オーストラリア大堡礁湖における底表性仔魚
Jeffrey M. LeisBarry GoldmanSally E. Read
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1989 年 35 巻 4 号 p. 428-433

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抄録
オーストラリア大墜礁湖Lizard島周辺の底表性仔魚を1981年11月と1982年1,2月の昼間にプランクトン用ソリネットで採集した.その量は大きく変異し, 底表部には水中に出現した多様な仔魚のうち少i数だけが集中して観察されたばかりでなく, 量的にも少なかった.サイウオ, ネズッポ, ニシン, カワハギ, Pinguipedidae, コチおよびメギスの各科, 特にシラスウオ, ヒイラギおよびシマイサキの各科の仔魚は底表部に集中した.また仔魚が底表部から日周的あるいは個体発生的に移動することを示唆する証拠も見出された.通常のプランクトン採集はLizard島域の大部分の仔魚に対しては適切であるが, 上記10科の仔魚に関しては生物量がかなり過少評価となることが, 本研究の不十分な採集からも指摘される.
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© 日本魚類学会
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