抄録
南太平洋の亜南極域から表層流し網, 中層および着底トロールにより得られた17個体の標本に基づき, シマガツオ科の新属新種Xenobrama microlepisを記載した.本属はシマガツオ科の他の属からは以下の点で区別される.左右の下顎の腹縁は互いに接する, 鰐細は太く短い, 胸鰭基部下方は狭い, 腹鰭間隔は広い (体幅の約半分, ほぼ眼径に等しい), 脊椎骨数49-51, 縦列鱗数83以上.本種は南太平洋の南緯38-54度, 西経79-176度に広く分布するが, 表層流し網の漁獲はシマガツオ属Bramaに比べ稀である.