日本産エイ類, ヤマトシビレエイTorpedo tokionisとホシエイDasyatis matsubaraiの核型を, 簡易組織培養法を用いて分析した.またホシエイとカラスエイDasyatis violaceaのDNA量を, 顕微分光濃度を用いて測定した.ヤマトシビレエイの核型は2n-86で, すべての染色体が端部着糸型であった.ホシエイでは2n=64, 中部-次中部着糸型染色体 (M-SM) =40, 次端部-端部着糸型染色体 (ST-A) =24, 腕数 (FN) =104であり, DNA量は9.5pg/cellであった.またカラスエイのDNA量は9.6pg/cellであった.核型とDNA量の検討の結果, ヤマトシビレエイの核型は同属の基本核型に近いものと考えられた.シビレエイ類の倍数性進化については, その機構についてより詳しい研究が必要であると判断された.またホシエイはその核型の特徴から, アカエイ科魚類の中では特化した種であると判断された.