魚類学雑誌
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飼育下におけるサケビクニンCarprproctus rastrirnusの摂餌行動
桜井 泰憲木戸 芳
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1992 年 39 巻 1 号 p. 110-113

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抄録
オホーツク海および北海道から東北にかけての水深100-400mの陸棚上から陸棚斜面部に生息するクサウオ科のサケビクニンを, 青森県営浅虫水族館の展示水槽にて長期飼育し, その摂餌行動を調べた.中層遊泳の際には, 体全体を波打たせて泳ぐが, 底層近くでは頭部を底に傾けた状態で遊泳する.特に, 底の魚肉やオキアミなどの餌を探索する場合には, 前傾姿勢に加えて胸鰭を体軸と平行に広げ, その欠刻部より前方の各鰭条は吻端近くに達し, しかも各鰭条の先端部を底に接触しながら移動する.この時, 餌が鰭条に触れると, 素早く吸い込むように捕食する.そこで, これらの鰭条と口部周辺の表皮の組織観察を行った結果, 前方の胸鰭鰭条先端と下唇部に多数の皮膚味蕾の存在が認められ, これらが本種の餌の探索と摂餌行動に機能していることが明らかとなった.
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© 日本魚類学会
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