魚類学雑誌
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南日本沿岸から得られたフサカサゴ科の1新種ヒメサツマカサゴ
中坊 徹次瀬能 宏益田 一
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1993 年 40 巻 1 号 p. 29-33

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抄録
静岡県伊東市富戸の伊豆海洋公園における水深25-30mの岩礁域, 徳島県牟岐町大島の水深20mの岩礁域, 長崎県対馬から得られた計8個体の標本に基づいて, フサカサゴ科オニカサゴ属魚類のうち, 小型のグループに属する1新種Scorpaenopsis iop (ヒメサッマカサゴ, 新称, 完模式標本57mmSL) を記載した.本種は頭部が殆ど無鱗 (わずかに数枚の半埋没性櫛鱗がある), 多くの微小突起で被われる, 眼は頭部背縁よりやや突出する, 眼後棘と耳棘は幅広い, 涙骨に2棘ある, 後頭部のくぼみの前縁に1対の小棘がない, 下顎の先端付近の左右の感覚孔は癒合しない, 鱈蓋骨上方棘の先端が単尖頭ではない, 胸鰭は17軟条, 側線上方横鱗列数が33-37, 背鰭前方鱗数が4, 第1鯛弓下枝の鯛杷数が8-9, 背鰭前長が短い, そして背鰭棘条部の高さが低い, 等の諸形質でオニカサゴ属魚類の他の小型種から区別される.
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© 日本魚類学会
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