日本農村医学会雑誌
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症例報告
免疫関連有害事象のためニボルマブ休薬後,再投与にて重篤な有害事象の再発なく長期奏効を得たPD-L1陰性進行非小細胞肺癌の1例
千秋 智重丸山 総一藤井 伸哉
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2020 年 68 巻 6 号 p. 797-

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抄録
 症例は67歳女性。非小細胞肺癌(扁平上皮癌,cT2bN2M1a,StageⅣA)と診断され,5次治療として免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブが投与された。腫瘍生検組織ではProgrammed cell death ligand 1(PD-L1)陰性であったものの腫瘍縮小効果が得られた。免疫関連有害事象(irAE)と考えられる皮疹・腸炎症状のため休薬が必要となったが,休薬後も縮小効果は持続,8か月以上の完全奏功が得られた。その後再燃し,ニボルマブ再投与にて病変は縮小し部分奏効を維持,皮疹によって休薬となるまで計27コース投与し2年以上病勢を制御することができた。PD-L1陰性にもかかわらずニボルマブが長期奏功し,irAEによる有害事象は初回・再投与時で同等であり比較的安全に長期投与が可能であった。
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© 2020 一般社団法人 日本農村医学会
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