北海道室蘭沖から得られ, 完模式標本以外に採集例のないヤセアイナメStellistius katsukii Jordan et Tanaka, 1927と同海域で普通に採集されるホッケPleurogrammus azonus Jordan et Metz, 1913との関係について主に外部形態に基づき調査した.両種の完模式標本と日本各地から得た23個体のホッケの標本を比較したところ, 両者に差異は認められなかった.従って, ヤセアイナメはホッケのシノニムであり, ヤセアイナメ1種のみを含むヤセアイナメ属Stellistiusもホッケ属Pleurogmmmusのシノニムである.また, 背鰭第1鰭条が長く, 後続のものとほとんど同じであるというヤセアイナメ属の特徴は模式標本の再調査では認あられず, Jordan and Tanaka (1927) の観察が誤りであったと判断された.