抄録
黒毛和種肥育牛の免疫状態と月齢および血中成分との関連を明らかにするため,白血球ポピュレーションを解析した.供試牛は青森県内の4肥育農家で飼育された黒毛和種去勢牛37頭で,10~12カ月齢から25~27カ月齢まで3カ月ごとに採血した.13~15カ月齢と比較し,顆粒球数は16~18カ月齢に,CD8+T細胞(細胞障害性T細胞)数は25 ~ 27カ月齢に,CD3+T細胞,CD3+TCR1−T細胞(αβT細胞)およびCD4+T細胞(ヘルパーT細胞)数は16~18カ月齢以降にそれぞれ有意に増加した.CD3+TCR1+T細胞(γδT細胞)数に有意な変動はみられなかった.CD14+細胞(単球)は16~18カ月齢以降で有意に減少し,MHC-classⅡ+CD14−細胞(B細胞)数は減少傾向がみられた.CD3+T,CD4+TおよびCD8+T細胞数は月齢および血漿総コレステロール(TC)値との間で正の相関が,血漿ビタミンA(VA),β-カロテン(β-C)および血清銅(Cu)値との間で負の相関がみられた.B細胞数は月齢と血漿TC値と負の,血漿VA値と正の相関がみられた.単球数は月齢および血漿TC値との間で負の,血漿VA,β-Cおよび血清Cu値との間で正の相関がみられた.以上より,黒毛和種肥育去勢牛では加齢と血中栄養成分の変化が白血球ポピュレーションに影響することが明らかになった.