法と心理
Online ISSN : 2424-1148
Print ISSN : 1346-8669
ADRにおける「相談」の再評価と「法と心理」研究の可能性に関する一試論 : 交通事故ADRならびに「ソフト」としてのADR論を中心に(<サブ特集>法と心理学のまなざしと、その再検討:協働を求めて)
久保山 力也
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キーワード: ADR, 交通事故ADR, 相談
ジャーナル オープンアクセス

2010 年 9 巻 1 号 p. 45-50

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抄録
本稿では、交通事故ADR(裁判外紛争解決)システムに着目し、特にわが国のADRにおける「相談」の価値を再評価しながら、ADRがおかれた環境の変化にも依拠しつつ、「法と心理」研究の可能性について探る。交通事故ADRについては、「相談」が紛争解決プロセスの一翼を担っており、さまざまな問題をはらみつつも、一定の成果をあげてきた。次世代型ADRでは、こうした環境を発展させ、より紛争当事者の「想い」にそった紛争解決システムの充実が望まれている。たとえば、リーガルプロフェッションと紛争当事者とのコミュニケーションを通じ、「協働」により紛争解決を達成する仕組みづくりが求められる。「法と心理」研究は、さまざまな「想い」を含む「相談」フェイズの具体的、実証的な研究の分野において、特に強い貢献が期待されているのである。
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© 2010 法と心理学会
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