2011 年 52 巻 3 号 p. 233-241
運動低下性タイプ以外のdysarthria5例(UUMN1例,失調性2例,混合性2例)に対して,遅延聴覚フィードバック(DAF)の適用を試みた.その結果,DAF使用時では5例中4例で発話明瞭度の改善が認められ,運動低下性タイプ以外のdysarthria例にもDAFの適用可能例があることが示された.また,発話明瞭度の改善とDAFによる発話速度の低下,母音長の延長,母音図の拡大などの関係を分析し,DAFによる発話明瞭度改善のメカニズムについて考察を加えた.