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音声言語医学
Vol. 53 (2012) No. 1 P 2-7

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http://doi.org/10.5112/jjlp.53.2

原著

【目的】われわれは反回神経麻痺症例に対して文章音読経過時間Paragraph Reading Time(以下PRTとする)が一つの検査方法として有用であることを本学会誌上で報告した.今回反回神経麻痺症例のPRTを音声区間と休止区間に分け,経時的に計測し経過時間に影響する要素について検討をした.
【対象と方法】対象は,食道癌の症例で術前の基準値と術後反回神経麻痺時,さらに改善までの経過を1ヵ月ごとに追うことができた4症例とした.方法は,昔話「桃太郎」の冒頭部分を音読し抽出した音声をサウンドスペクトログラムを用い,1.音声区間(発話時間)と休止区間(ポーズ)の経時的変化の比較検討,2.休止区間内の息継ぎのあるポーズと息継ぎのないポーズのそれぞれの回数の経時的変化を比較検討した.
【結果】1.音声区間の計測時間は一定の傾向を示し,休止区間の計測時間に延長が認められた.2.延長を示した休止区間内に認められた息継ぎのあるポーズと息継ぎのないポーズの回数を計った結果,息継ぎのあるポーズの回数に増加が認められた.
【結論】反回神経麻痺症例におけるPRT延長の主な要因は,息継ぎのあるポーズの回数増加による休止区間の延長が大きいことが示された.一方,反回神経麻痺といった発声に不利な状況にもかかわらず,音声区間はほぼ一定の経過を示した.

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