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音声言語医学
Vol. 53 (2012) No. 2 p. 144-147

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.53.144

原著

言語障害児の指導のためには基盤となる健常児の言語獲得の知見が不可欠である.日本語の主格は機能範疇T(時制辞)によって認可されるという仮説がある.この仮説は時制辞の発現の前に格助詞「が」が現れることはないと予測する.しかしこれを支持する実証的データはほとんどなく,また,日本語において何をもって時制辞の発現とみなすかについても一致した見解が得られていない.そのため時制辞の発現と格助詞の出現との関係は十分に明らかになっていない.そこで本研究では過去形(タ形)と非過去形(ル形)の両者と,格助詞「が」の出現に視点を当て,1,2歳の健常幼児7名の縦断的な発話データを分析した.その結果,7名とも動詞のル形とタ形の後に格助詞「が」が出現した.この結果について,ル形とタ形が出揃うことが日本語の時制辞の発現と関係しており,そのため上記の仮説が予測するとおり,時制辞が発現した後に格助詞「が」が出現すると考察した.

Copyright © 2012 日本音声言語医学会

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