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音声言語医学
Vol. 56 (2015) No. 1 p. 30-36

記事言語:

http://doi.org/10.5112/jjlp.56.30

原著

人工内耳装用児(CI児)においても音声の聴取が不確実なことがあるため,聞き返しや確認などの訂正方略を用いて会話を継続する必要がある.そこで,CI児の訂正方略と関係する言語要因を明らかにし,訂正方略の指導に役立てることを目的とした.対象は5〜12歳のCI児11名である.検査者が自由会話中に低手掛かり発話(訂正方略を用いなければ会話継続しにくい発話)を投げ掛け,その発話に対して用いられた訂正方略をカウントした.訂正方略を繰り返し方略,聞き返し方略,確認方略に分類し,語彙理解力,構文理解力,構文産生力,語連想力との関係を検討した.その結果,訂正方略は構文理解力(r=0.667,p<0.05),構文産生力(r=0.807,p<0.05),語連想力(r=0.800,p<0.05)との間に高い関係があることが示された.また,繰り返し方略と確認方略(r=0.686,p<0.05)の間に高い関係が見られた.これらのことから,聞き返しや確認の際に相手の発話を推測するために語連想力が関与し,伝達には構文産生力が関与したと推察された.したがって訂正方略を活用するためには,語の連想と構文産生を促す指導が必要であることが示された.また,繰り返し方略が確認方略に先行して活用されたことから,訂正方略の順序性に配慮した指導が必要であることが示された.

Copyright © 2015 日本音声言語医学会

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